皆さんは他社にデータを送るとき、どのようにしていますか?
おそらくメールに添付する場合が多いと思いますが、容量が大きい場合は送りづらく、セキュリティのために行っていたPPAP(zipファイル暗号化)はセキュリティ対策として意味が無く、受信者に負担を強いると問題視されています。
そんなPPAP問題の解決や、他社との手軽なファイル共有手段として、Microsoftの「OneDrive」が有効な手段になることはご存知でしょうか。
この記事では、OneDriveの基本的な機能やプラン、またどのようにしてPPAP問題を解決し、他社とのファイル共有を容易に出来るのかを解説します。
OneDriveについて
OneDriveはMicrosoft社が開発したオンラインストレージです。
- どのデバイスからもファイルにアクセスできる
- 大事なファイルを簡単にバックアップ
- ファイルを簡単に共有できる
等の特徴があります。
ビジネスプランは2023年3月現在、下記の3つがあります。
- OneDrive(5GB):無料
- Microsoft365 Basic(100GB):229円/月(1年契約の場合)
- Microsoft365 Business Basic(1TB):650円/月(1年契約の場合)
ただし、2023年4月1日より価格改定(値上げ)がアナウンスされておりますので、実際の金額について詳しくはMicrosoft365のサイトをご覧ください。
参考:OneDrive
できるだけ費用をかけたくない場合は無料プランでも機能差は無いため、ファイル共有をメインにして小容量のファイルのみ扱えば5GBでも十分でしょう。
おすすめプランは、何と言っても650円/月という低価格で1TBの容量が付いてくる「Microsoft365 Business Basic」です。1TBあれば重要なデータをすべてバックアップすることもできます。
さらに、Microsoft Teamsも利用できるため、Web会議の開催も可能になります。
さらに、Exchange Online も利用できるため、メールサーバを移行し、スケジューラと連携して利便性を高めることも可能になります。
さらに、Sharepoint Online も利用できるため、グループで共有できる1TBのストレージが付属します。
パソコンのディスク故障によるデータ消失リスクを担保し、かつTeamsやメールまで使えると考えると破格の安さだと言えます。
この低価格でここまで機能が付いてくるサービスはMicrosoft365以外にありません。
OneDriveによるファイル共有方法
ここからはOneDriveを利用できる状態になっている前提で、どのようにしてファイル共有をするのか、また注意点等を記載します。
Windowsエクスプローラーでの操作
Windows PCにOneDriveのアプリをインストールして利用する場合は、エクスプローラーで共有操作をすることができます。
【事前準備】
- 「社外共有」フォルダの作成
こちらは必須ではありませんが、どのファイルを社外と共有しているかを明確にするため、また自身のOneDriveのフォルダ構造やフォルダ名が流出しないようにOneDriveのルートフォルダ上に社外共有用の専用フォルダを作成することを強くオススメします。どういうことかを説明すると、例えばOneDriveのフォルダ構成が「ビジネス関係\01.ユーザー\”ユーザー名”\”プロジェクト名”\プロジェクト名称.ppt」のような状態でパワポのURLを共有したとします。
URLを開くと最初はパワポが直接開くのですが、右上の✕ボタンをクリックすると下図のようにフォルダ構成がモロバレになります。。
また、M365ユーザー名も表示されてしまうので、企業アカウントであればおそらく本名が登録されているので、ここも見えてしまいます。
このあたりはbox等と比較するとイケてない要素です。
それでは共有の手順に入っていきましょう。
【共有手順】
- エクスプローラーより、OneDriveフォルダを開きます。
- 共有したいフォルダやファイルを「社外共有」フォルダにコピーする
- 共有したいファイルやフォルダ上で右クリックし、「共有」をクリックします。
(Windows11の場合は「OneDrive」 → 「共有」) - 「リンクの送信」画面が開くので、共有相手にファイルを編集されてもいい場合はそのままで結構ですが、編集されたくない場合は「リンクをクリックすれば誰でも編集できます」をクリックした後、「その他の設定」 → ”編集可能” をクリック後、”表示可能”を選べばファイルを編集されることがなくなります。(読み取り専用状態)
- 「リンクをコピー」をクリックすると、URLがクリップボードにコピーされるので、メール等を利用して共有したい相手にURLを送る。
以上です。これで相手がURLを開くと自分で共有したファイルやフォルダを相手が参照できるようになります。
注意点としては、上記の設定だとURLを知っている人であれば本当に誰でもファイルを見ることができてしまうので、ネット上に晒すようなことは絶対にしないようにしましょう。あくまでもメールやチャットツール等で特定の人のみに送ることが大前提です。
【共有解除手順】
2023年3月現在、共有解除の際は、OneDrive オンライン上で実施する必要があります。
- 共有解除したいファイルやフォルダを右クリックし、「オンラインで表示」をクリックします。
(Windows11の場合は右クリック後「OneDrive」→「オンラインで表示」)
もしくはWebブラウザからOneDriveを開きます。 - OneDriveのWeb画面上で、共有解除したいフォルダやファイルを右クリックし、「アクセス許可の管理」をクリックします。
- 共有されている場合は、「アクセス許可を付与するリンク」にURLが記載されているはずです。そのURLの右側にある「・・・」をクリックします。
- クリックすると✕マークに変わるので、クリックします。
- ”リンクを解除しますか?”というポップアップが出るので、「リンクの解除」をクリックします。
共有解除方法は以上です。
共有リンクの有効期限設定
Businessライセンスもしくは一般ユーザーの有料ライセンス(Microsoft365 Basic等)を利用されている場合は、共有リンクに有効期限をつけることができます。
有効期限設定方法
- 共有したいファイルまたはフォルダをOneDrive より右クリックし、「共有」をクリックします。
(共有手順の3.を参照) - リンクの送信画面で「リンクを知っていれば誰でも編集できます」をクリックすると、「その他の設定」より有効期限の設定が可能です。
※無料版OneDrive を利用されている場合は、プレミアムへの移行(有料ライセンス利用)を促され利用できません。
有効期限の強制設定
Microsoft365のライセンスにBusiness版を利用されている場合は、管理センターより共有リンクの有効期限設定を強制することが可能です。
オンライン共有は便利な反面、共有解除忘れによる情報流出対策も考慮しなければなりません。
Business版ライセンスを利用されている場合は共有の期限設定をすることを強くおすすめします。
設定方法
- Microsoft365管理者アカウントより「Sharepoint管理センター」に移動し、「ポリシー」→「共有」をクリックします。
- 下にスクロールし、”これらのリンクは、次の日数以内に期限切れにする必要があります”欄にチェックをいれて、期限切れにしたい日数を入力します。(下記画像では14日に設定)
- 最下部にある「保存」ボタンをクリックします。
これでこのテナントのユーザーがOneDriveで共有するときの有効期限を強制的に設定することができます。
基本的な運用としては共有が不要になった時点で共有解除する、もしくは社外共有フォルダに入れているのであれば共有されているファイルやフォルダを削除するという手もありますが、各々でしっかり管理する前提での運用が良いかと思います。
まとめ
OneDriveでは簡単に脱PPAPが可能です。
OneDriveは無償ライセンスでも5GBまで利用できるため、他者とのファイル共有であれば十分使えるため、誰でもすぐに利用を開始できます。
また、Businessライセンスや個人版でも有料ライセンスをお使いの場合は有効期限を設定できるため、ヒューマンエラーによる共有リンクの放置や流出によるリスクを最低限に抑えることができます。
便利なツールの使い方とセキュリティをしっかり理解して、コストを最小限にして業務効率化を目指しましょう。