前回の記事では、一般的なWeb会議ツールでの品質改善方法をご説明しました。今回はMicrosoft365の普及により大きなシェアを持つMicrosoft Teams(以下Teams)の通信品質について掘り下げて解説したいと思います。
Web会議の通信品質を上げるべき理由
まずはTeamsを始めとしたWeb会議ツールの利用にあたり、通信品質が悪いとどういった問題が起こるかをご説明します。
1.音途切れによる会議のストレス
通信品質が悪いと、音声や映像が途切れてしまいスムーズに会議を進めることが難しくなります。
顕著に影響が現れるのが音声で、音声が聞き取りにくいと話の内容が頭に入りづらく、聞いている相手がストレスを抱えてしまっていることも多いです。
2.商談がうまく進まない
会議がストレスになるということは、商談等でWeb会議を利用している場合などは大きな問題になる場合もあります。対面であればうまく進んだかもしれない商談もWeb会議では悪い結果を招く可能性があります。
3.社内でのコミュニケーション不全
今は社内の打ち合わせやちょっとした相談、レビューなどをWeb会議で行うことも増えています。ただでさえテレワークで同僚との関係が希薄になる中、Web会議でのコミュニケーションまで悪くなってしまったらどうなるでしょうか。
以上のように、Web会議を主要な業務ツールで使わざるを得なくなった今、社内でも社外(自宅等)でも通信品質の改善が大きな意味を持つようになっています。
チェックするポイント
ここからはMicrosoft Teams(以下Teams)における通信品質確認方法をご紹介します。
1.「通話の状態」を確認
TeamsではWeb会議中にリアルタイムで通信品質を確認できる「通話の状態」確認機能があり、その画面から通信ネットワークの状態を見ることができます。
- Teams画面上部の「その他」ボタン → 「通話の状態」をクリック
- 「ネットワーク」部分を確認し、ラウンドトリップ時間と受信したパケット損失を確認します。Microsoftの情報によると、正常性を図る基準としてラウンドトリップ時間は200msec以下、パケット損失は5%以下であることが望ましいとされています。
2.(管理者のみ)Teams管理センターからの確認
こちらの方法はMicrosoft365のテナント管理者もしくはTeams管理者の方に限られますが、Teams管理センターからより多くの情報を確認することができます。
- Microsoft365管理センターにログイン
- 左フレームの「全て表示」をクリックし、「Teams」をクリックする
- Microsoft Teams管理センターが表示されたら、「ユーザー」→「ユーザーを管理」をクリック
- 確認したいユーザーをクリック後、下にスクロールし「会議と通話」をクリックすると、過去1ヶ月の間にそのユーザーが参加したTeams会議の状況(自分や他参加者の通話品質等)を見ることができるので、確認したい会議IDをクリックする。
- 「タイムライン」タブの下にあるユーザーごとのセッション時間バーにマウスカーソルをあわせ、「セッションの詳細を表示する」をクリックする(何故かとてもクリックし辛いです。。)
- 該当のユーザーが使用していたデバイスやPCの情報、Wi-Fi等のネットワーク状態などかなり詳細に記録されているのが確認できる。
まとめ
Microsoft Teamsでは品質調査のための方法がとても充実しており、上記で紹介したもの以外にもたくさんの機能が備わっていますので、管理者の方はぜひいろんな機能を確認してみてください。
このような手順で通信品質をチェックし、悪い部分が見つかった場合の対処法については前回のブログ記事に詳しく記載していますので、参考にしていただけると幸いです。